技術を学び、社会を知る

チームで技術を学び、社会を知る

私たち「SORA EDUCATION」が学生たちに与えるのは、「ロケットを飛ばす機会」。「ロケットを飛ばす」と決めるのも、「どんなロケットにするか」を決めるのも、参加者である学生たちです。
私たちは「ロケットを飛ばす」というプロジェクトを、学生にとってベターなアクティブラーニングになると考えています。まず、SORA EDUCATIONで開催される規模のロケットは、決してひとりで飛ばせません。複数人を集め、チームで飛ばす必要があります。また、ロケットを飛ばすのに必要な人数は6~8人と、マネジメント体験をするのにぴったりな人数。3~4人では少なく、10人になると数人サボる人間が出てきます。全員働かないとロケットを飛ばせない、その人数が6~8人なのです。

©JAXA

「ロケットを飛ばす」。言葉で表現すれば、とても簡単に聞こえるものです。過去、たくさんの技術者たちが様々なロケットを飛ばし、宇宙との繋がりを持ってきました。技術は、既に複数存在しています。しかし、既にある技術を「知っている」ことと、技術を「使える」ことの間には、非常に大きな差があります。

例えば、高圧電線。町中に張り巡らされ、ごくありふれた技術に見えます。一見すると、ただ柱と柱の間に線を張っているだけ。しかし、そこにはたくさんの問題があり、それを解決する無数の技術が詰まっています。ただ線を張るだけでは、電線が揚力を発生し 、電線同士が触れてしまう危険性があります。雪が積もった場合に備えて、自動的に雪が落ちる仕組みまで組み込まれています。町中にありふれている高圧電線は、大きな自然の力にひとつずつ対応した上で成り立っているのです。

そして、ロケットも同じ。バルーンサットでは成層圏まで、キューブサットでは宇宙までロケットを飛ばしていきます。ロケットを飛ばすには、様々な人的問題・自然の力を乗り越えていく必要があるのです。

調べればすぐに見つかる技術ですが、それを、自ら追体験する。技術を探し、設計図を書いたとしても、そこで終わりではないのです。設計図を叶えるために、材料を集め、部品を作ります。部品を作るにも、どの順番で作り、どの順番でロケットへと仕上げていくのかを計画します。テストを行い、失敗し、またやり直して……。既にある技術を、その通りに作ろうとしても、予想通りに飛ぶわけではありません。想定外のことが、何度も起こります。
技術をチームで追体験し、失敗し、試行錯誤し、学ぶ。自分ひとりではなく、「一緒に飛ばそう」、そう決めた仲間たちと心をひとつにし 、手を取りながら叶えるのです。
学生は、それらの経験から、学びます。
話を聞き、知識を知っているだけでは、本当の意味で「理解」していなかったのだ、ということ。自分ひとりでは、クリアできない、どうにもならないことがあること。自ら手を動かし、またチームの皆も手を動かし、協力し。そうして初めて進むものがあること。失敗して、試行錯誤して。そしてやっと、ロケットを飛ばせること。皆で同じところを目指すことで、ひとつの事を成す。
技術を皆で学ぶ経験を通し、自分自身が社会の一員で、世界の一部で。そして、新しく社会を、世界を作っていけることを知るのです。

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